横川景三墨蹟春遊何処住敲扉 古寺雲深在翠微 花自白桜人白髪 不簑不笠雪中帰 山寺見花小補題不ふ簑さ不ふ笠りうにして雪中を帰る七言絶句春遊云々田山方南箱神崎充晴極和田臨陽軒旧蔵一七九・七糎四六・七糎 春、何いこ処にか遊び往ゆきて扉を敲たく古寺には雲深く翠す微び在あり花は自から白く桜人びは白髪なり山寺に花を見る小補題す ゅいいとずた 横長 4んいんうおのずさくら(大意)春、何気なく外に出て古寺の山門を訪ねた。古寺には深く雲が漂い遠方には青くかすむ山が見える。寺内には花が白く見頃、桜人(花見に来た人)は皆老年白髪で花見の感動そのままに蓑もまとわず、笠もかぶらず雪の中を帰っている。横お川せ景け三さ(一四二九─九三)室町時代の臨済宗禅僧。漢詩文に優れ五山文学の代表者。将軍足利義政の側近で文芸顧問として東山文化の中心的な人物として知られる。銀閣寺内の「東求堂」「同仁斎」の名は横川が挙げた候補の中から義政が撰した。田山方南箱38
元のページ ../index.html#40